その他公開日:2024年7月22日

改正建設業法が成立しました

2024年6月7日に参院本会議で改正建設業法が可決、成立しました。
改正建設業法の背景や概要は次のとおりです。
【背景】
(1)建設業は、他産業より賃金が低く、就労時間も長いため、担い手の確保が困難。
(2)建設業が「地域の守り手」としての役割を将来にわたって果たしていけるよう、時間外労働規制等にも対応しつつ、処遇改善、働き方改革、生産性向上に取り組む必要。
【概要】
(1)労働者の処遇改善

  • ・建設業者に対して労働者の処遇確保を努力義務化するとともに、国は当該処遇確保に係る取組状況を調査・公表。
  • ・労務費等の確保と行き渡りのため、中央建設業審議会が「労務費の基準」を作成・勧告することとし、受注者及び注文者の双方に対して著しく低い労務費等による見積り書の作成や変更依頼を禁止(違反発注者には国土交通大臣等が勧告)。
  • ・併せて、受注者における不当に低い請負代金による契約締結を禁止。
(2)資材高騰に伴う労務費へのしわ寄せ防止

  • ・資材高騰など、請負代金や工期に影響を及ぼす事象(リスク)がある場合、請負契約の締結までに受注者から注文者に通知するよう義務化する。また、資材価格変動時における請負代金等の「変更方法」を契約書の記載事項として明確化。
  • ・注文者に対し、当該リスク発生時は、誠実に協議に応ずることを努力義務化。
(3)働き方改革と生産性向上

  • ・長時間労働を抑制するため、受注者における著しく短い工期による契約締結を禁止。
  • ・ICT活用等を要件に、現場技術者に係る専任規制や、公共工事における施工体制台帳提出義務を合理化。
  • ・ICT活用による現場管理の「指針」を国が作成し、特定建設業者や公共工事受注者に対し、効率的な現場管理を努力義務化。

施行期日は、改正項目によって公布の日から3ヵ月以内、6ヵ月以内、1年6ヵ月以内と分かれています。

例えば、上記(1)の「労務費の基準」の作成は公布の日から3ヵ月以内に施行されますが、著しく低い労務費等による見積り書の作成や変更依頼の禁止については、1年6ヵ月以内の施行とされています。

「建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決定(国土交通省)
【PDF】建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律案(国土交通省)