その他公開日:2024年7月22日

技能実習制度に代わる育成就労法が成立しました

2024年6月14日の参院本会議で出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案が可決、成立しました。

これにより「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」(技能実習法)が「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律」(育成就労法)に改められます。

今後は、公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとされていますが、準備行為に係る一部の規定は公布の日から施行されます。
制度見直しの背景や概要は次のとおりです。
【制度見直しの背景】
(1)外国人材がより一層重要に

各産業分野が生産性向上や国内人材確保のため最大限努力したとしてもなお人手不足となることは避けられず、特に地方経済・地方産業において、外国人材がより貴重な労働力になっていくことは確実。
(2)国際的な人材獲得競争の激化
近隣諸国・地域(台湾、韓国)との競争が激化。
台湾・韓国が移動先上位に上昇、日本は相対順位が低下傾向。
【現行】
技能実習制度の目的と実態のかい離の指摘

  • (1)目的は、人材育成を通じた技能移転による国際貢献
  • (2)実態は、経済社会の担い手、国内の企業等の貴重な労働力
【改正後】
技能実習制度から「育成就労制度」へ

  • (1)「育成就労制度」を創設
  • (2)技能実習制度を発展的に解消し、人材確保及び人材育成を目的とする「育成就労制度」を創設。
  • ※特定技能制度については、支援等の在り方の適正化を図った上で存続

【現行】
長期にわたり産業を支える人材の確保が困難

  • (1)対象となる職種・分野の特定技能との不連続
  • (2)職種が細分化
  • (3)実習終了後は「帰国」するのが制度上の原則
【改正後】
長期にわたり産業を支える人材を確保

  • (1)特定技能1号水準の人材を育成するための制度に
  • (2)受入れ見込数を適切に設定
  • (3)外国人が地域に根付き、共生できる制度に
【現行】
外国人にとって魅力を感じにくい現行制度

  • (1)キャリアパスが不明瞭
  • (2)労働者としての権利保護が不十分
  • (3)不適正な送出し、受入れ、監理事例の存在
  • (4)失踪問題、ブローカーの介入の問題
【改正後】
外国人に魅力のある制度で「選ばれる国」へ

  • (1)キャリアアップの道筋を明確化
  • (2)労働者としての権利性の向上
  • (3)関係機関の要件等を適正化
  • (4)ブローカー対策を適切に 
  • (5)受入れ機関における人材流出等への懸念にも配慮

詳細は次のURLよりご確認頂けます。

【PDF】改正法の概要(育成就労制度の創設等)(法務省)
【PDF】改正法の概要(育成就労制度の創設等)(厚生労働省)