労働基準法公開日:2024年3月14日

36協定届への署名又は記名押印廃止に伴う注意事項を解説します

2021年4月1日以降、労基署へ提出する「時間外労働 休日労働に関する協定届(以下、36協定届)」には署名又は記名押印が不要となりました。
本年3月中に「36協定届」を提出する会社が多いかと思われますので、本当に署名又は記名押印をしなくてよいのか、今一度注意事項について次のとおり解説を致します。

(1)労働基準法では、時間外労働(原則1日8時間超、1週40時間超の労働)又は休日労働(週1日の法定休日労働)をさせる場合には、あらかじめ「36協定」を締結し、労働基準監督署に届け出なければなりません。

(2)「36協定」には、労使間の合意を証した「36協定書」と、労基署届出用の「36協定届」があります。
【ダウンロード】「36協定書」の様式例(福岡労働局)
【ダウンロード】「36協定届」の様式例(厚生労働省)
労働基準法施行規則(e-GOV)

(3)「36協定書」と「36協定届」は、本来別の文書ですが、「36協定届出」に労働者の代表者が署名又は記名押印することによって、 「36協定書」を兼ねることができます。

【PDF】36協定届が新しくなります(厚生労働省)
※2ページ目の36協定届の記載例の下欄の吹き出しに説明があります
(4)2021年4月1日以降の「36協定届」は、押印の省略が可能となりますが、押印省略が可能となるのは労基署届出用の「36協定届」です。
※「36協定書」ではありません。
(5)「36協定届」の押印を省略した場合は、「36協定書」を兼ねることができませんので、「36協定書」を別途締結するか、 「36協定届」に引き続き押印する必要があります(署名の場合は押印不要)。
(6)よって、「36協定届」を「36協定書」を兼ねる場合には、引き続き使用者と労働者代表の押印が必要です(署名の場合は押印不要)。
※電子申請の場合も「36協定届」又は「36協定書」に使用者と労働者代表の押印が必要です(署名の場合は押印不要)。
様式は次のURLよりご確認頂けます。
主要様式ダウンロードコーナー(厚生労働省)