職業安定法が改正され、労働者の募集を行う際のルールが変わります。
改正・職業安定法での労働者の募集を行う際のルール
2022年10月1日施行の改正職業安定法では、求職者が安心して求職活動をできる環境の整備を目的として、求人企業に対して、「求人情報」や「自社に関する情報」の的確な表示が義務付けられます。
- ・虚偽の表示・誤解を生じさせる表示はしてはなりません。
- ・求人情報を正確・最新の内容に保つ措置を講じなければなりません。
(1)対象となる情報
広告や連絡手段※を通じて提供される求人情報・求職者情報が幅広く対象となります。
- ※対象の広告・連絡手段・・・新聞・雑誌・その他の刊行物に掲載する広告、文書の掲出・頒布、書面、ファックス、 ウェブサイト、電子メール・メッセージアプリ・アプリ等、放送(テレビ・ラジオ等)、オンデマンド放送等
(2)虚偽の表示の禁止
「実際に募集を行う企業と別の企業の名前で求人を掲載する」「『正社員』と謳いながら、実際には『アルバイト・パート』の求人であった」「実際の賃金よりも高額な賃金の求人を掲載する」ような場合は、虚偽の表示に該当する場合があります。
(3)誤解を生じさせる表示をしないための注意点
虚偽の表示ではなくとも、一般的・客観的に誤解を生じさせるような表示は、「誤解を生じさせる表示」に該当します。
例えば求人票において以下のような点に注意します。
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・「業務内容」の職種や業種について、実際の業務の内容と著しく乖離する名称を用いてはなりません。
【例】契約社員の募集を「試用期間中は契約社員」など、正社員の募集であるかのように表示する - ・「賃金」について、「固定残業代の基礎となる労働時間数等を明示せず基本給に含めて表示する」「モデル収入例を必ず支払われる基本給のように表示する」などしてはなりません。
(4)正確かつ最新の内容に保つ措置
以下の措置を講じるなど、求人情報を正確・最新の内容に保たなければなりません。
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・募集を終了・内容変更したら、速やかに募集に関する情報の提供を終了・内容を変更する。
(例:自社の採用ウェブサイト等を速やかに更新する) - ・求人メディア等の募集情報等提供事業者を活用している場合は、募集の終了や内容変更を反映するよう速やかに依頼する。
- ・いつの時点の求人情報か明らかにする。(例:募集を開始した時点、内容を変更した時点等)
- ・求人メディア等の募集情報等提供事業者から、求人情報の訂正・変更を依頼された場合には、速やかに対応する。
(5)自社に関する情報
自社に関する情報についても、「上場企業でないにも関わらず、上場企業であると表示する」「実際の業種と異なる業種を記載する」ような表示をしないようにする必要があります。