労働基準法公開日:2022年5月21日

無効な36協定で違法残業とされ書類送検されました

山口県岩国労労働基準監督署は、ベトナム人技能実習生2人に違法な時間外労働休日労働を行わせたとして、縫製業者と同社の労務管理責任者を、労働基準法第32条(労働時間)と第35条(休日)違反の疑いで、山口地検岩国支部に書類送検しました。
最長の時間外労働休日労働は月135時間であり、そのうち15時間は2日間の休日労働によるものでした。
同社が締結し届出ていた36協定について、労働者の過半数代表者とされていた実習生が内容を全く理解しておらず、同社が一方的に労働者の過半数代表者として指名して36協定を締結させたとみられるため、当該36協定は無効と判断しました。
同労基署は、「実習生を代表にするのは問題ないが、民主的な方法で選出する必要がある」との見解を出し、「仮に協定が有効だったとしても、時間外労働の上限規制を超えて働かせている為違法である」と判断しました。
36協定を締結し労基署へ届出たとしても、労働者の過半数代表者が民主的な方法で選出されていなければ違法となります。
弊所のクライアントにつきましは、過半数の信任を得るプロセスを重視して民主的な方法で過半数代表者を選出いただくようご案内しておりますが、民主的な方法で選出できていない事業所があれば、36協定を再締結の上、労基署へ再度届出をされることをお勧めいたします。