労働基準法公開日:2024年11月21日

厚生労働省より通達「スタートアップ企業で働く者の労働基準法の適用に関する解釈について」が発出されました

この通達は「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2024 改訂版」(令和6年6月21日閣議決定)において

スタートアップについては、創業当初のため、管理監督・機密事務・研究開発を行う者とその他の事務を行う者の業務範囲が曖昧であることから本人が希望していてもこれらの制度を適用できるのかが分かりにくい。
このため、スタートアップ等の労働者や新技術・新商品の研究開発等に従事する労働者に対する裁量労働制等の運用明確化等を図る。

ことを踏まえ発出されたものです。

特段、実務に影響を及ぼすような新しい解釈は出されていませんが、管理監督者の該当性について、特に重要と思われるを次のとおり抜粋します。
管理監督者への該当性について、具体的には、例えばスタートアップ企業の労働者のうち、

以下の者であって、定期給与である基本給、役付手当等においてその地位にふさわしい待遇がなされていたり、ボーナス等の一時金の支給率、その算定基礎賃金等についても役付者以外の一般労働者に比し優遇措置が講じられているものは、一般的には管理監督者の範囲に含めて差し支えないものと考えられる。

  • (1)取締役等役員を兼務する者
  • (2)部長等で経営者に直属する組織の長
  • (3) (1)及び(2)と当該企業内において同格以上に位置づけられている者であって、経営上の重要事項に関する企画立案等の業務を担当するもの(全社的なプロジェクト遂行の現場業務を統括する「プロジェクトリーダー※」や、全社的なプロジェクト全体の技術面に特化して統括する立場にある者など)
※ここでいう「プロジェクトリーダー」とは、次のような権限を有している者をいう。
  • ・プロジェクトチームの構成を決定する権限
  • ・プロジェクトの取引に関する事項を決定する権限
  • ・プロジェクトのスケジュールを決定する権限
なお、従来どおり「経営や人事に関する重要な権限を持っていない、実際には出社・退社時刻を自らの裁量的な判断で決定できない、給与や一時金の面において管理監督者にふさわしい待遇を受けていないといった場合には、管理監督者には該当しない」とされています。
詳細は次のURLよりご確認頂けます。
【PDF】スタートアップ企業で働く者や新技術・新商品の研究開発に従事する労働者への労働基準法の適用に関する解釈について(基発0930第3号 令和6年9月30日)(厚生労働省)